2023年01月24日
アキュリスファーマがpitolisantの閉塞性睡眠時無呼吸症候群に伴う 日中の過度の眠気に対する国内第3相臨床試験を開始
神経・精神疾患領域における革新的な治療薬の開発と商業化を推進する製薬ベンチャー企業であるアキュリスファーマ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長兼CEO:綱場 一成、以下「アキュリスファーマ」)は、ヒスタミンH3受容体拮抗薬/逆作動薬pitolisant(以下本剤)について、持続陽圧呼吸(CPAP)療法による治療を行っているものの、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)に伴う日中の過度の眠気が残存する患者を対象とした国内第3相臨床試験を開始しましたのでお知らせします。
本試験は、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験(パート1)と、その後の多施設共同、非盲検、長期継続投与試験(パート2)からなる日本人を対象とした国内第3相試験で、本剤の有効性及び安全性を検証することを目的としています。
※本試験の詳細は、以下をご参照ください。
URL:https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCT2031220501
本剤はBioprojet社(フランス、パリ市)が開発し、当社が日本での独占的開発・商業化に関するライセンスを有し、現在、日本における本剤の開発を進めています。Pitolisantは、欧州では2021年に「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)患者における覚醒状態の改善及び日中の過度の眠気の減少」を効能・効果として欧州医薬品庁(EMA)より承認取得しており、既に臨床現場で使用されています。
OSASは、睡眠中に上気道の狭窄・閉塞が生じるために適切な呼吸が妨げられる疾患で、代表的な症状には、大きないびき、日中の眠気、不眠、熟睡感の欠如、全身の倦怠感などがあります。また、適切な治療が行われない場合の中長期的な問題として、高血圧や動脈硬化などの循環器系疾患、糖尿病、うつ病などの合併症リスクが挙げられます 1,2。
OSASの標準的な治療法であるCPAP(Continuous Positive Airway Pressure)は、上気道の狭窄・閉塞を緩和し、OSASに伴う諸症状や生活の質(QOL)の改善に寄与することが知られています。しかし、一部の患者さんにおいては適切な基本治療にも関わらず残存する眠気が継続する場合もあり3、日中の過度な眠気は、労働生産性への影響、QOLの低下、交通事故などの事故のリスク因子とされている4ことから、新たな治療選択肢が求められています。
アキュリスファーマは、閉塞性睡眠時無呼吸症候群を抱える患者さん、そのご家族がより安心して、自分らしく生活できる社会を実現するため、本剤を日本の患者さんへ一日も早く届けることを目指し、事業を推進して参ります。
Pitolisantについて
Pitolisantは、人間の睡眠・覚醒リズムの制御において重要な役割を担っているヒスタミン含有ニューロンのシナプス前部に分布する自己受容体、ヒスタミンH3受容体へ選択的に結合する拮抗薬/逆作動薬です。pitolisantは、Bioprojet(フランス、パリ市)により創薬され、欧州では2016年に「カタプレキシー(情動脱力発作)を伴う、又は伴わないナルコレプシー」を効能・効果として、2021年には「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)患者における覚醒状態の改善及び日中の過度の眠気の減少」を追加の効能・効果として欧州医薬品庁(EMA)より承認取得しました。米国では2019年に「ナルコレプシーに伴う日中の過度の眠気」を効能・効果として、2020年には「ナルコレプシーに伴うカタプレキシー」を追加の効能・効果として米国食品医薬品局(FDA)より承認を取得しています。
アキュリスファーマ株式会社について
アキュリスファーマ株式会社は“Catalyst to Access”(革新的な医療への橋渡しを担う)という理念から創られたAculysを社名とする日本発の製薬ベンチャー企業です。神経・精神疾患領域において革新的な医療手段への橋渡し役となり、患者さんとご家族、医療関係者、社会により良い医療を届けるため、欧米諸国から革新的で優れた医薬品を導入し、開発・販売を担い、さらに疾患を取り巻くさまざまな課題に対するソリューションを提供します。
会社名:アキュリスファーマ株式会社 [英語名:Aculys Pharma, Inc. ]
所在地:東京都港区北青山2 -14 – 4
代表者:綱場 一成
設立日:2021年1月
URL:https://aculys.com
<注意事項>
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1. 日本循環器学会.循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2008-2009年度合同研究班報告)循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン.2. 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン作成委員会(編):睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン20203. Update on Persistent Excessive Daytime Sleepiness in OSA; Chest . 2020 Aug;158(2):776-786.4. The economic and societal burden of excessive daytime sleepiness in patients with obstructive sleep apnea. Sleep Med Rev. 2020 Jun;51:101275.