- 日本のてんかん患者は約60万~100万人、そのうち治療で発作コントロールが困難な薬剤抵抗性患者が2~3割1,2
- 「困りごと」は薬剤抵抗性てんかん患者さんで「発作がいつ起こるかわからず常に不安である」、介護者で「将来に不安がある」が最多となった
神経・精神疾患領域における革新的な治療薬の開発と商業化を推進するアキュリスファーマ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 :谷垣任優、以下、「アキュリスファーマ」)は、成人(18歳以上)の薬剤抵抗性てんかん患者さんおよびその介護者(105名)を対象に、日常生活における困りごとに関する調査(以下、本調査)を実施しました。
てんかんは、乳幼児から高齢者までどの年齢層でも発症する可能性があり3、成人にも多い神経疾患です(図1)。日本では約60万〜100万人がてんかんに罹患していると言われています。
【図1】健康保険組合加入者集団における年齢階級別・年度別てんかん有病率3
国際抗てんかん連盟(ILAE)が提唱する基準に準じ、国内外の関連医学会はけいれん発作の持続時間が5分を超える場合にはこれをてんかん重積状態(SE)*とみなし、治療介入を推奨しています4。てんかん重積状態が30分を超えると神経学的後遺症のリスクがあると報告されています4。
*てんかん重積状態:国際抗てんかん連盟(ILAE)では、「発作がある程度の長さ以上に続くか、または短い発作でも反復し、その間に意識の回復がないもの5」と定義
多くのてんかん患者さんは適切な診断や治療を受けることでてんかん発作を抑えることができ、通常の社会生活を送っていますが、約3割は抗てんかん薬を服用していても発作が消失せず、患者さんやそのご家族・介護者は繰り返す発作に対応することが求められています1,2。そこで今回、てんかん重積状態におけるリスクが高い成人に焦点をあてた調査を実施いたしました。
本調査の結果から、日常生活における「困りごと」は、「発作がいつ起こるかわからないため常に不安である」が患者さんで76.1%、介護者で44.1%、「発作の影響により将来に不安がある」が患者さんで69.0%、介護者で55.9%でした。発作に対して大きな不安を抱え、現在だけでなく将来に対しても精神的な負担を抱えていることが浮き彫りになりました(図2、3)。
【図2】患者さんの日常生活における困りごと
【図3】介護者の日常生活における困りごと
国立精神・神経医療研究センター病院 てんかん診療部・総合てんかんセンター センター長の中川栄二先生は、「てんかんは乳幼児から青年、高齢者までどの年代でも発症する可能性があり、患者数の多い神経疾患です。特に抗てんかん薬で発作を抑制できない薬剤抵抗性てんかんにおいて、いつ起こるかわからないけいれん発作は、患者さんやそのご家族・介護者の日常生活に様々な制限をもたらします。また今回の調査で示されたとおり、成人の薬剤抵抗性てんかん患者さんおよび介護者の方は、その社会生活においていつ起こるかわからない発作に常に不安を抱えています。このようなけいれん発作に対するアンメットメディカルニーズは社会課題のひとつであり、少しでも解消につなげることが重要です」と述べています。
アキュリスファーマは、てんかんの患者さんやご家族の皆様の声に耳を向け、薬剤の開発・提供にとどまらず、発作に伴う不安の軽減など、少しでもてんかんに関わる課題を解決していけるよう邁進してまいります。
【調査概要】
調査期間:2024年7月19日~26日
調査エリア:全国
対象:既存治療を受けても、てんかん発作をコントロールできない成人てんかん患者さんおよび成人てんかん患者さんの介護者
回答総数:105人(患者さん71人、介護者34人)
調査方法:WEBアンケート調査
【参考情報】
アキュリスファーマ、てんかん発作に対する抗けいれん薬「ジアゼパム点鼻液」の製造販売承認を申請(2024年9月2日当社発表)
https://aculys.com/20240902/
【参考情報】
アキュリスファーマ、てんかん発作に対する抗けいれん薬ジアゼパム点鼻液の 国内第III相臨床試験で良好な中間解析結果を示す(2023年10月18日 当社発表)
https://aculys.com/20231018/
■てんかんについて
てんかんは、脳の神経細胞の過剰な電気的興奮に伴って、意識障害やけいれんなどの症状(てんかん発作)を引き起こす慢性的な脳の病気です。日本では約60万〜100万人、1,000人に5〜8人がてんかんに罹患していると言われています。医療の進歩により、多くのてんかん患者さんは適切な診断や抗てんかん薬などによる治療を受けることでてんかん発作抑えることができ、通常の社会生活を送っていますが、約3割の患者さんやそのご家族・介護者は繰り返す発作に対応することが求められています1,2。
てんかんの原因、症状、重症度は患者さん個々人によって大きく異なり、同様にてんかん発作も患者さんごとに多様な性質をもっています。その中でも、1日に何度も繰り返される発作や一定時間が経過しても停止しない発作(てんかん重積状態)を抱える患者さんにおいては、脳へのダメージ、生命予後への影響が懸念され、速やかな治療介入が必要とされます6。しかしながら、現状、院外での発作対応は救急車で医療機関に搬送し、医療関係者による投薬治療を受けることが中心で、発作開始から医療機関に救急搬送されるまで20~40分を要することから、時間の障壁があります6。 患者さんとそのご家族、医師を対象とした海外の大規模調査では、繰り返すてんかん発作が患者さんご本人はもとより、ご家族における精神的、社会的、経済的な負担についても報告されています7。
■アキュリスファーマ株式会社について
アキュリスファーマは、日本のドラッグ・ラグ/ドラッグ・ロス解消の先駆者となり神経・精神疾患にかかわる社会課題解決に取り組む日本発の製薬ベンチャーです。“Catalyst to Access”(革新的な医療への橋渡しを担う)という理念を掲げ、Aculys(アキュリス)を社名としました。神経・精神疾患領域において革新的な医療手段への橋渡し役となり、患者さんとご家族、医療関係者、社会により良い医療を届けるため、欧米諸国から革新的で優れた医薬品を導入し、開発・販売を担い、さらに疾患を取り巻くさまざまな課題に対するソリューションを提供します。
会社名:アキュリスファーマ株式会社 [英語名:Aculys Pharma, Inc. ]
所在地:東京都港区北青山2 -14 – 4 the ARGYLE aoyama 6F
代表者:谷垣任優
設立日:2021年1月
URL:https://aculys.com
出典:
- 大槻泰介:てんかんの有病率等に関する疫学研究及び診療実態の分析と治療体制の整備に関する研究, 2013 https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/22749 (2025年3月14日アクセス)
- Kwan P, MJ Brodie. Early identification of refractory epilepsy. N Engl J Med. 2000 342(5):314–319.
- Kurisu A, Sugiyama A, Akita T, Takumi I, Yamamoto H, Iida K, Tanaka J. Incidence and Prevalence of Epilepsy in Japan: A Retrospective Analysis of Insurance Claims Data of 9,864,278 Insured Persons. J Epidemiol. 2024 Feb 5;34(2):70-75.
- Trinka, E. et al. Epilepsia 56, 1515–1523 (2015).
- Proposal for revised clinical and electroencephalographic classification of epileptic seizures. From the Commission on classification and Terminology of the International League Against Epilepsy. Epilepsia. 1981; 22(4): 489-501.
- 日本小児神経学会:小児てんかん重積状態・けいれん重積状態治療ガイドライン2023 p.2-22, 診断と治療社, 2023
- Penovich PE, Buelow J, Steinberg K, et al. Burden of seizure clusters on patients with epilepsy and caregivers survey of patient, caregiver, and clinician perspectives. Neurologist. 2017 22:207–214.